原発事故、立件見送り視野 東電幹部ら「大津波想定せず」

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130506/crm13050607550000-n1.htm

これまでの捜査で過失を裏付ける明確な証拠はなく、検察当局は対象者の立件見送りを視野に入れている。刑事処分は早ければ夏にも行う見通しだ。
告訴・告発の大半は過失罪で「事故が起きる可能性を予見できたか」「事故を回避できる可能性があったか」の2点が重視される。

問題は過失の成否ですから、まずは、客観的な予見可能性が問題にされるべきで、それを前提とした結果回避可能性が問題とされる必要があります。それが肯定されれば、「認識していなかった」という弁解は、単なる怠慢でしかありません。
おそらく、問題とされるべきなのは、原発事故が発生したプロセスについて、いかなる具体的な危険性の指摘がされていたか、それが事故前にどこまで周知されていたかということで、それを検討するに当たっては、近年発生した地震に伴う巨大津波の実例も十分考慮されなければならないでしょう。弁解に引きずられて不起訴にするのは簡単な部類の事件ではありますが、誰にも想定できないことがおきなり起きた、ということではない、ということは、各方面から繰り返し指摘されていることであり、安易な捜査で右から左に片付けて不起訴にしてしまう、では済まされない事件ではあるでしょう。とは言え、こういう記事が出るということは、検察上層部が意図的にリークして不起訴へ向けての地ならしを始めている可能性が高く、不起訴になる可能性は相当高い状況ではあると思います。