ハフィントン・ポストとは何か? 米国に見える新興ネット・メディアの可能性

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130510-01049144-trendy-bus_all&p=1

ハフィントン・ポストの読者重視の姿勢は徹底しており、どんなに良質のジャーナリズム記事でもアクセス回数が少なければ、あっという間にサイトの奥深くに埋もれてしまう。逆に、どれほど下世話で文化的価値の低い記事やブログでも、そのアクセス回数が多ければ、ページ冒頭のデカデカとした見出しが特徴のトップ記事として、延々とサイトで表示され続ける。これは(少なくとも米国では)人間の編集者が決めているのではなく、サイトに実装された選択アルゴリズム(つまりソフトウエア)が決めている。

一方で、最大の課題はビジネスモデルの確保だ。プロパブリカのような非営利団体、あるいはInside Climate Newsのような独立系メディアが寄付金などに頼っている現状は、伝統的な報道機関と比べて収益基盤が十分とは言えない。今後、確固たるビジネス・モデルに基づく次世代ジャーナリズムにどう移行していくのか――。
この点で読者重視のトラフィック対策を最優先するハフィントン・ポストは、そうした課題に対する一つの解を示しているとも言える。が、これは前述のような、極めて米国的な文化風土と報道環境の所産でもある。従って、日本で始まったハフィントン・ポストが米国のような成功を収めるかどうかは予断を許さない。

固定して支払われる購読料で成り立っていた既存の新聞とは異なり、こうしたインターネットニュースの世界は、見られる、読まれることがすべて、見られず読まれなければ無いのと同じ、という、厳しい世界で、上記のようなハフィントン・ポストの在り方は、そこを直視したものと言えるでしょうね。
ただ、こうしたやり方は、どうしても、興味本位のもの、「釣り」的なものへと関心が流れそこが重視されてしまいがちになる傾向があって、クオリティを維持することが難しく、徐々に飽きられてしまう、という流れになってしまう危険性を内包しているように思います。日本で、どこまで伸びるか、伸び悩んでしまうかは、今後の日本におけるネット・メディアの動向を占う上でも参考になるでしょう。
記事で指摘されているような、収益モデルについても、まだ試行錯誤状態の中、注目されると思います。