iPhone5の地図はなぜコケたのか?露呈した「クラウドとビッグデータ」というアップルのアキレス腱

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120927/237333/?P=1

アップルでは、自社だけではこうした主要建物や店舗のデータをカバーできず、いろいろなソースからかき集めてきたはずだ。この部分が、本拠アメリカではそれでも一応データが集まったが、欧州や日本では十分でなく、元データそのものの質もバラつきがあり、さらにこれらを縫い合わせて不整合が起きないように調整する「コンフレーション」という作業が不十分だったのだと思われる。

ビッグデータの世界では、ほかのウェブ系大物企業がいずれも何らかの存在感を発揮しているのに対し、アップルだけは全く姿が見えない。クラウドビッグデータでは達人なのに、ユーザーインターフェイスは最悪とけなされ続けるグーグルとちょうど逆だ。

iOS6になってからの地図のひどさは、報道もされ、広く知れ渡っていますが、その原因が端的に推測されていてわかりやすいですね。私は、単純に、元のデータに問題があるのだろう、という漠然とした印象を持っていましたが、元のデータ(ビッグデータ)の処理過程に問題がある、ということになると、改善は一朝一夕では無理そうで、そうであるからこそ、アップルのティム・クックCEOは、他社のサービスを利用するように勧めるという、異例の行動に出たのでしょう。
アップルは魅力あるハード作りに長けている、グーグルはクラウドビッグデータ処理に長けている、ということであれば、相互が協力し、足りないところを補い合って共存共栄を図れば良さそうなものですが、そうならないところが、人間社会の難しく不合理なところ、という気がします。
当面、iOSの地図がめざましく改善される見込みは無さそうですから、他の地図サービスをうまく使い、iOSの地図は笑いのネタ拾いなどに使う、といった使い分けが必要でしょう。