iPhone 5向けLTE、その実力は?――エリアはソフトバンク、通信速度ではauが優位に

http://businessnetwork.jp/tabid/65/artid/2410/page/1/Default.aspx

iPhone5を軸とした、AUソフトバンクの、今後のLTEネットワーク整備について、わかりやすく紹介している記事ですね。ツイッターで紹介していただきました。ありがとうございます。

高速化ではソフトバンクに先行しそうなKDDIだが、エリア展開については必ずしも有利とはいえない。
KDDIは、LTEで2013年3月までに実人口カバー率96%のサービスエリアを構築する計画を明らかにしているが、これは今秋に始まる800MHz帯のLTEで実現することを想定したもの。KDDIはすでに800MHz帯で99%を超える3Gネットワークを構築しており、このロケーションを活用して一気に基地局整備しようとしているのだ。
ところが、iPhone 5LTEは米国の800MHz帯(バンド5)には対応しているものの、KDDIの800MHz帯(バンド18)には非対応となっている。そのため、LTEは今回スタートした2.1GHz帯でしか使えない。
KDDIは2.1GHz帯単独でのエリア整備プランを公表していないが、3Gにおいて2.1GHz帯は、面的なエリアを構築する基幹バンド800MHz帯を容量面で補完するという役割であり、都市部を中心に整備されている。トラフィック対応といってもKDDIの800MHz帯は3Gには5MHz幅×2にしか割り振っておらず(残りの10MHz×2はLTE)、2.1GHz帯でも一定の容量をカバーする必要があるため、大都市圏だけでなく中小都市までエリアを広げているが、それでも人口カバー率では80〜90%程度と見られる。
2.1GHz帯LTEのエリア整備もこのエリアが当面の上限となる。この点では前述したように2.1GHz帯を3Gのメインバンドとして展開してきたソフトバンクのほうが有利だ。
こう見てくると、LTEのエリアを重視するのであればソフトバンクテザリングをストレスなく使いたいなどLTEの速度を重視するのあればKDDIという選択基準ができる。

それぞれの、従来の周波数展開により、上記のような差異が出てきている、というのが興味深いですね。ただ、スマートフォンを使用する場合、高速で利用できるかどうか、というよりも、むしろ、いる場所で確実に電波をつかんで、安定した速度(10M、20Mといった高速度でなくても、安定して2M、3M程度で使えれば十分に用は足りるということが多いでしょう)で利用できる、ということが、ストレスなく快適に使える(そのように体感できる)ということにつながるのではないかと思います。iPhone5発売直後の今は、LTE、高速通信、ということに大きく関心が集まっていますが、ストレスの少なさ、快適さは、既存の3Gネットワークに依存する程度が依然として大きいのではないかと思われます。AUソフトバンクか、あるいはSIMフリー機でドコモか(ドコモではiPhone5LTEは使えませんが)、ということを考える上では、そういったところへも目を向けておく必要があるでしょう。