スティーブ・ジョブズ「第3章 ドロップアウト ターンオン、チューンイン」

スティーブ・ジョブズ I

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スティーブ・ジョブズ II

スティーブ・ジョブズ II

第3章で、ジョブズは、ハイスクールを出て、カレッジに進学します。彼が選択したカレッジは、学費が高く養父母にとっては大きな負担になったものの、「自由を重んじる校風とヒッピー的なライフスタイルで知られて」いたものでした。こういうカレッジを選択したところに、ジョブズの性格や嗜好といったものを強く感じるものがあります。
当時のジョブズの生活で印象的なのは、精神世界(特に禅)や薬物(LSD)への傾倒で、「抽象的思考や論理的分析よりも直感的な理解や意識のほうが重要だと、このころに気づいたんだ」という述懐には、そういった性格を強く持つApple製品のルーツを見るような気がします。
当時のジョブズに強い影響を与えた人物として、強烈なカリスマ性を持つ、同じカレッジに在籍していたロバート・フリードランドという男性が登場しますが、関係者の、「現実歪曲フィールド」をジョブズに教えたのはフリードランドだったという証言も紹介されていて、興味深いものを感じました。
ジョブズに大きな影響を与えたカレッジ生活でしたが、その生活は長く続かず、束縛を嫌い、また養父母に負担をかけたくないという気持ちから、1年半程度で中退することになります。