昭和天皇と弟宮

昭和天皇と弟宮 (角川選書)

昭和天皇と弟宮 (角川選書)

戦前の、昭和天皇秩父宮高松宮との確執は、既に広く知られているところではありますが、この本で読んでみて、改めてその実態や、単なる確執にとどまらない周辺の関係者の思惑との絡み(2・26事件の際の秩父宮と決起した将校など)などがよくわかり、参考になりました。
戦後は、政治との関係でぎくしゃくした関係が生じる可能性自体がなくなっていますが、この本でも指摘されているように、皇統を存続させることの難しさ、特に、男系天皇という制度を維持することによる困難さ、皇室の在り方といったことは、今後も検討せざるを得ないでしょう。いたずらにタブー視せず、国民がそういった問題に関心を持ち慎重に検討するということも必要ではないかという気がしました。