http://www.chosunonline.com/news/20091226000029
韓国での話です。
大法院は判決理由について、「いわゆるニセ通帳の名義人であるK被告が金を引き出そうとしても、これは自分名義の銀行口座を利用したものと見なすべきであり、口座を開設した銀行の意思に反しているとは考えられないため、窃盗行為には当たらないとした下級審の判決は妥当だ」と述べた。
K被告は今年初め、インターネットを通じ10万ウォン(約7700円)を受け取り、自分名義の通帳18冊を売った。
数日後、K被告は売った通帳に3000万ウォン(約230万円)が振り込まれた事実を知り、銀行で通帳の再発行を依頼して金を引き出そうとし、その場で逮捕された。
日本で同種の事件が起きたら、おそらく詐欺(未遂)罪か窃盗(未遂)罪(ATMの場合)が適用され、起訴されれば有罪になるでしょうね。
この種の行為に詐欺罪や窃盗罪を適用する場合、確かに、上記の記事にある韓国の大法院が指摘するように、口座を開設した銀行の意思に反していたのか、ということが問題になり得ますが、実際の意思というよりも、規範的に考えた、一種の評価として捉えている傾向が強いように思います。
ただ、財産犯というものを考える上で、こういった規範的な評価というものをどこまで推し進めてよいかという問題は常にあり、安易に拡大されすぎると罪刑法定主義を没却することにもなりかねず、なかなか難しい問題ではあります。