山P、不起訴か 器物損壊容疑で書類送検もすでに示談成立

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141022-00000018-spnannex-ent

女性は、当時の状況を撮影したカメラ付き携帯電話を持ち去られ、使用不能にされたとして、麻布署に被害を届け出た。
捜査関係者によると、3人は当時、酒を飲んだ後で酔っていたとみられる。山下は携帯電話の動画が広められることを心配したという。

携帯電話を持ち去ったのに、なぜ窃盗罪ではないの?という疑問が生じますが、判例は、窃盗罪等の「盗犯」の成立に、「不法領得の意思」が必要であるとしており、その内容は、「権利者を排除し他人のものを自己の所有物と同様に、その経済的用法に従いこれを利用、処分する意思」をいうとされています。
上記の記事で紹介されている事実関係を前提にすると、携帯電話の経済的用法に従い利用、処分する意思が欠如している、と、警察当局に判断されて、窃盗罪ではなく器物損壊罪での書類送検になったのでしょう。器物損壊罪の「損壊」は、物理的に壊すだけでなく、一時的にでも物の効用を害する行為を含むと解されていて、隠匿による一時的な効用阻害も含まれます。
ただ、実務上は、持ち去り隠匿して一定期間が経過したような場合、警察レベルでは窃盗罪を認定して検察庁に送致(送付)するのが普通で、こういう形態で器物損壊罪による書類送検というのは、相当異例なことと言えるでしょう。その背景について、想像を巡らせることは可能ですが、巡らさないでおくことにします。