裁判員「忌避」頻繁に、趣旨と違って法廷戦術

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091226-00000559-yom-soci

最高裁によると、8〜10月に判決のあった46件で忌避された候補者は229人。選任手続きに出席した人の13%に上り、1件当たり約5人に達した。ある刑事裁判官は「予想より多い。本来の趣旨に反して戦略的に使われている面もあるのではないか」と話す。

アメリカの陪審裁判の場合、当事者が、いかに自分にとって有利な陪審員の構成にするか腐心するということはよくあることで、そのために陪審コンサルタントという仕事まで存在するようですから、日本の裁判員制度で、理由を示さない不選任が様々な思惑から利用されることは不可避でしょうね。
そもそも、裁判員制度がはじまり何が起きているかと言えば、派手なパフォーマンス、お涙頂戴の論告、弁論、裁判員の感情に動かされての恣意的な判断等々で、こういったものに「国民の感覚が反映された」とマスコミ的な礼賛をしておきながら、理由を示さない不選任を「本来の趣旨に反する」などと問題視する感覚が理解できません。裁判員制度というものは、本質的に、当事者が素人である裁判員をだまし、口車に乗せるなどして有利な判断を引き出すために利用されかねない、裁判というものをゲーム化、ギャンブル化する危険な制度であり、理由を示さない不選任をこのように問題にするのであれば、制度自体を問題にすべきでしょう。
裁判員制度の本質的な問題点をお座なりにして、単に表面的にしか見られない人間が記事を書くとこうなる、こういうところに落ち込んで行く、という、一種の見本のような記事という印象を受けます。