必要悪 バブル、官僚、裏社会に生きる

必要悪 バブル、官僚、裏社会に生きる

必要悪 バブル、官僚、裏社会に生きる

以前に購入して、読まずにそのままになっていましたが、ちょっと興味を感じ、3分の1程度まで読んでみました。なかなかおもしろく、引き続き読んで、読み終えておきたいと思っているところです。元検事の田中森一氏と宮崎学氏の対談集で、既に読んだところでは、平成始めのバブル経済期の、今から振り返ると、異常としか思えない熱狂が、ややオーバーと感じられるところもありますが、赤裸々に語られています。
昭和天皇崩御により激動の昭和が終わって、平成の世になり、最初にやってきたのがバブル期でしたが、あの時代を経ることによって、日本人の平均的な価値観、物事の考え方、特に「金」というものに対する考え方といったことが大きく変わったように私は感じています。様々なルールを守るよりもいかにくぐり抜けるか、他人を踏み台にしてもいかに儲けるか、社会に他人に迷惑をかけることを気にしていてはいかに損をするか、といった考え方が人々の心の中に入り込み、その後のバブル崩壊を経ても、一旦、入り込んでしまったものからは逃れられず、現在に至っているような気がしています。そういった目で、上記の本を読み進めてみると、バブルの魔力、はまると容易には抜けられない恐ろしさといったことが、改めて感じられます。
バブルを覚えている人も、知らない人も、あれは一体何だったのか、我々に何を残したのか、といったことを考えてみる上でも、この本はおもしろいと感じました。