ヤメ検の“功罪”問う裁判に 田中森一被告初公判

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090204/trl0902041142003-n1.htm

そんな劣勢を覆すカードが既に「時効」となった当時の違法弁護の暴露なのだろう。今後の証人尋問で明確に裏付けられるか否かが公判のカギを握る。が、この主張は「闇社会の守護神」としての軌跡を図らずも浮き彫りにし、情状面で不利に働くリスクを生む。

この事件は捜査の表裏を熟知し、捜査当局への影響力も期待されて犯罪者の防波堤となる検察OB、いわゆるヤメ検弁護士という特殊な存在抜きに語れない。裁判はこのヤメ検の“功罪”も問うものになる。

私も「ヤメ検」のカテゴリに入れられてしまっているようで、経歴からそれは仕方がないと思いますが、そこに何もかも入れてしまった上で、「ヤメ検弁護士という特殊な存在抜きに語れない。裁判はこのヤメ検の“功罪”も問うものになる。」などという言われ方をされるのであれば、ちょっと待てよ、それは違うよ、と言いたくなりますね。
捜査の表裏を熟知し、という点は、私の場合も、敢えて否定はしませんが、捜査当局への影響力と言っても、できることとできないことがあるのは当然のことで、黒いものを白にする、といったことを期待する人がいれば、それは誤った期待でしょう。そういうことをわきまえずにいると、田中森一氏のようになってしまうこともありますが、それは例外中の例外で、誰もが、目的のためには手段を選ばない、といったダーティなことを平気でやっていると思われるのは迷惑と言うしかありません。
ただ、田中森一氏の存在、その著書で語られている内容、それらによってイメージ化された「ヤメ検」というものが、一種の虚像として独り歩きしてしまっている面は確かにあって、そういったイメージ、虚像をいかに修正して行くかということは、今後の難しい課題という気がします。
日本ヤメ検協会(これではあまりにもおかしな名前ですが)のようなものを作って、検察庁に在籍したことがある弁護士がメンバーとなり、会員の違法、不当行為にブレーキをかけたり、人々の正しい理解を得るための活動を展開する、といったことも必要かもしれませんが、実際にやっても、会員はほとんど集まりそうもないですね。