「地上げ」乗り越え、新宿に超高層住宅 新旧住民集う

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151012-00000012-asahi-soci

西富久地区はバブル期、「地上げ」で地価がつり上がった。笹野さんが営んでいたそば屋にも、スーツ姿の男が「土地を売ってほしい」と訪れ、店舗兼住宅が建つ31坪に、最後は移転費用を含めて10億円の値がついた。ただ、笹野さんは「別の場所で商売をしてもお客さんがつくとは限らない」と売却には応じなかった。
「あそこは倍の値段で売れたらしい」などのうわさ話に住民たちは疑心暗鬼になった。「売らないよ」と言っていたのに、いつのまにかいなくなった人も。親しかった隣近所の人間関係はズタズタになった。

私は、平成8年(1996年)4月から7月まで、東京地検公安部所属のまま特捜部の応援に駆り出されて、その間、住専住宅金融専門会社)による不正融資のケースを複数内偵していたのですが、その中に、この富久町が絡む件もあったことを記憶しています。内偵中に資料を見えいると、ある元検事(認証官で退官)の弁護士が、ある事件で着手金を5000万円もらっていて、驚いたのも懐かしい記憶で、今振り返るとあれもバブルだったのでしょう。最近亡くなった田中森一氏が書いた本で、検事から弁護士になった後に驚くほど金が入ってきて、という思い出話が語られていましたが、当時は確かにそういうことがありました。
記事にあるように、バブルの狂乱の中で地価が高騰し、売る人は売って出て行ってしまい、地上げされた土地とそうでない土地が混在した虫食い状態になった状態でバブル崩壊を迎え塩漬けになっていて、あれから20年ほど経ってやっとこのような形になったのだなと、当時を多少知る者として感慨のようなものを感じます。
新たな姿になった街で、人と人とのつながりを大切にしつつ、皆さんで和やかに楽しく生活していただきたいものです。