元裁判官「誤判ある」82% 裁判員制度に反対60%超

http://www.kahoku.co.jp/news/2009/08/2009080801000735.htm

ボ2ネタ経由で知りました。なかなか興味深いアンケート結果ですね。

まず誤判について、87人が「避けられない」とし、「避けられる」は12人にとどまった。無回答は7人。誤判を避ける対策を尋ねたところ、取り調べの可視化や「検察の捜査などを批判的にみることが必要」のほか、裁判官と検察官の質向上を挙げた人もいた。
5月に施行された裁判員制度は賛成32人、反対65人、無回答9人。「アマチュアには無理」として“プロ”による裁判を肯定する人が多い一方、賛成派の中には「弁護士になって初めて刑事裁判のひどさを知った」という意見もあった。

ボ2ネタでは、

http://d.hatena.ne.jp/bo2neta/20090809#p1

「刑事弁護人だけでなく検察官も経験すると,また,印象が変わるのかもしれませんが・・。」というコメントが付されていますが、私の場合、検察官から弁護士に立場が変われば、裁判所が裏で検察庁スクラムを組み陰に陽に検察庁を擁護してくれる状態から、そうではない状態になるということはよくわかっていたので、弁護士になって「はじめて刑事裁判のひどさを知」るほど間抜けじゃなかったですね。
裁判員制度が始まれば、裁判所も検察庁も、新制度の中で、いかにして従来の相互スクラム態勢をうまく維持し、裁判員を一種の小道具として巧みに利用しつつ、裁判所にとっても検察庁にとっても満足できる判決が出せるかを考えるだけのことで、そういう中で、いかに被害を受けず、受けたとしても最小限に食いとどめて、被疑者、被告人その他の関係者に有利に物事を運んで行くかが、実務家である自分に課せられた使命である、と私は常に考えています。裁判所が公平であるとか、検察官が公益を代表しているとか、そういうことは建前、絵空事であって、実際は、多くのケースで、裁判所が平気で不公平な判断を下したり、公益ではなく「国策」「庁益」のために検察権が行使されれているというのが実態で、裁判員制度が続こうが廃止になろうが、そういった実態が容易に良くなることはないでしょう。