量刑のバラツキ防止、裁判員制度へ「検索システム」稼働

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080523-OYT1T00443.htm

全国の地裁・支部にデータベースの端末を設置。裁判員裁判の対象になる事件の判決を言い渡した裁判官が、〈1〉事案の概要〈2〉凶器の種類〈3〉被害の程度〈4〉共犯者の有無〈5〉反省の度合い〈6〉被害者の処罰感情――など、十数項目の情報を入力していく。既に約100件が集まり、来年5月までには3000件を超えるデータが蓄積されるという。
この端末に複数の条件を入力すると、類似事件の量刑一覧が検索できる。例えば、路上で起きた強盗致傷事件の場合、「路上」と「強盗致傷」の二つのキーワードを入力すると、刃物で2週間のケガを負わせ60万円を奪った事件は懲役10年、工具で襲ったが現金は奪えず、被害者との示談が成立している事件では懲役6年など、類似事件の一覧表が示され、どんな事情が量刑に影響を与えているかが一目で比較できる。また、各事件の量刑分布が棒グラフでも示される。

こういった量刑資料を作成したり利用する際に、最も問題になるのは、量刑の上で考慮された事項をどう見るか、ということで、データベース化する際には、類型化しにくい事情をどう取り扱うか、という問題もあるように思います。
ただ、あくまで「目安」であり、とらわれない、引きずられない、という前提で使用するのであれば、参考になるでしょう。
量刑には、「幅」というものがあり、一見、似たような事件でも、重くも軽くもなっていて、こういった資料を見た裁判員がかえって迷ってしまう、ということも起きてくるかもしれません。