杉並親子強殺、二審も無期 元大学生に東京高裁

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010061701000287.html

法定刑が「死刑または無期懲役」の強盗殺人事件で被害者が複数の場合、死刑を適用されるケースが多いが、昨年7月の一審判決は被告の完全責任能力を認める一方、強盗殺人の計画性が乏しく、若年で改善更生の余地があると判断。検察側は死刑を、弁護側は無罪か減刑を求めていた。

小西裁判長は検察側鑑定について「手法や判断過程の合理性から『信用できる』として採用、依拠した一審判決の判断に誤りはない」と指摘。
その上で「殺意は実行行為の直前に生じたものと認められ、被告が若年で前科がないことなども考慮すると極刑しかないとまでは断定しがたい」と結論付けた。

被害者の数だけで決まるものではありませんが、やはり失われた人命の数は、死刑か無期かを分ける上で大きく影響しますが、強盗殺人事件で被害者が2名の場合、その他の情状によっては死刑にも無期にもなる、というのが従来の量刑傾向でしょう。その意味で、検察官も控訴しているほどですから、限界事例であったとは、おそらく言え、上記の記事にあるような情状の考慮のされ方は、今後、同種事例で量刑が検討される上で参考になると思います。
これが裁判員裁判であった場合、1審で無期になったのか、1審が死刑という判断を下した場合に、控訴審で上記の記事のように判断し死刑判決を破棄して無期に減刑できたのか、といったことを考えてみることは、今後、こういった微妙な事件が出現することも十分あり得る状況の下、意味のあることでしょう。