番組ネット転送「適法」 東京地裁、TV局中止申請却下

http://www.asahi.com/national/update/0805/TKY200608040501.html

以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050908#1126114059

で、

また、「録画ネット」のようなサービスを徹底的に放逐しようとしている放送局サイドとしても、こういった動きは苦々しい限りということになるのでしょうか。
今後の動きが注目されます。

とコメントしたことがありますが、やはり、放送局サイドはこういった動きに出ていたのだな、というのが、まず受けた印象でした。
「録画ネット」事件との対比、ということが問題になるでしょう。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050602#1117645357
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050602#1117670965
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050603#p1
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20051125#1132930455
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060209#1139418282

上記の記事では、

このサービスは永野商店(東京都)の「まねきTV」。ソニー製の市販装置を使い、テレビ番組を、専用ソフトを組み込んだパソコンなどにインターネット経由で流す。利用者が購入した装置を入会金3万1500円、月額利用料5040円で預かり、約50人にサービスを提供していた。
この装置の個人利用は著作権法違反にはあたらない。しかし、NHKなどは、永野商店の行為は不特定の利用者に向けたサービスで「(放送局の)送信可能化権を侵害している」と主張し、今年2月、同時に仮処分を申し立てた。
高部裁判長は、装置の所有権はサービスの利用者にあり、永野商店は装置の管理行為を代行しているにすぎず、放送局の著作隣接権送信可能化権)を侵害していないと判断した。

とあり、決定書が見られないので、上記の限度でしか事実関係がわかりませんが、あくまで印象として言うと、録画ネット事件との違いは、
1 装置自体は既に市販されているもので、適法なものである
2 その装置を利用者が購入し所有している(録画ネット事件では、抗告審決定で、装置について「所有権の移転が仮装されているにすぎない」とされていた)
3 上記のような状況を前提に、サービス提供者の行為が、利用者の行為を補助するものにとどまっていて、主体はあくまで利用者と評価できる
といった点にあるのではないか、と思いました。決定書を見てみたいですね。