<ウィニー>開発の元東大助手「改良は容易」 京都地裁公判

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060309-00000168-mai-soci

流出拡大を防ぐ改良については「積極的にやりたいが、(バージョンアップはしないと府警と約束しており)また罪に問われる可能性がある」と述べた。
弁護側もこの日の弁論で「保釈取り消しや新たに事件となることを恐れ、ウイルス対策ができない」と主張した。
金子被告は府警の家宅捜索を受けた03年11月、「改良などの開発を今後はしない」との誓約書を提出させられている。

昨日のエントリーで言及した警察庁長官の言動を見ても、ウイニーの技術そのものや開発行為自体を違法視していることが明らかですから、確かに、改良したくても怖くて手は加えられないでしょうね。「保釈中の再犯」などということになったら大変です。
改良などの開発を今後はしない、という誓約書をとった人や組織が、責任を持って自ら改良するのが筋でしょう。
昨日の公判を傍聴し、初めて、被告人の肉声を聞きましたが、弁護人の質問について、よく理解した上で、言葉を選びつつ過不足なく的確に答えており、なかなか頭が良い被告人だな、と思いました。
被告人質問では、ウイニー1からウイニー2へと、開発が移行して行った経緯の詳細が述べられていました。弁護人は、警察による取調で、そういった経緯について何ら考慮がされていなかったことを強調しており、開発状況を具体的かつ詳細に明らかにすることで、検察・警察ストーリーや自白調書の信用性を破綻させようとしている意図が見て取れました。
興味を覚えたのは、弁護人の弁論の中で、平成16年5月25日付け(と言われていたと思います)で、著作権者から幇助犯に対して出された告訴状というものが存在し昨日になって初めて証拠開示されたことが明らかにされ、その告訴状が「一定の条件付き」であることが明らかにされたことでした。「一定の条件」が何であるかは述べられませんでしたが、条件付きの告訴状というものは、私も、今まで見聞きしたことがなく、一定の条件とは何か、なぜ、そのような珍しいものが提出され、しかも、昨日まで検察庁が握って出さなかったのか、等々について、興味が尽きないという思いがしました。

追記:

Winnyの適法な用途」
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2006/03/winny_26ee.html

を読んで思いましたが、「捜査関連情報を入手するなど仕事に役立つと思いウィニーを取り込んだ」と話している、この愛媛県警の警部殿を、ウイニーユーザーの一人として、京都地裁のウイニー公判に弁護側証人として呼んでみる、というのも、一つの有効な立証方法かもしれません。