ゴーン被告、再び保釈 検察側の準抗告棄却で

ゴーン被告、再び保釈 検察側の準抗告棄却で(産経新聞) - Yahoo!ニュース

東京地裁は同日、弁護側の保釈請求を認める決定を不服とする東京地検準抗告を棄却していた。

yjochi.hatenadiary.com

でもコメントしましたが、ゴーン氏の妻絡みの罪証隠滅の可能性が、今回の保釈でも問題になったようで、報道によれば、ゴーン氏の妻との接触が、保釈条件で禁止されたとされています。

刑事実務上、妻のようなごく身近な家族との関係で罪証隠滅が問題となる場合、裁量による保釈も認められないと、保釈は却下されるのが通例でしょう。例えば森友学園の事件で、籠池夫妻はかなりの期間、勾留されていましたが、夫妻の間の接触を禁じて早期に保釈を許可するという道を裁判所は採りませんでした。保釈後、一緒に行動していますから、保釈条件で夫妻相互の接触は禁止されていないはずです。

その意味で、ゴーン氏と妻の接触を禁じた上での保釈許可は相当に異例であり、追加で5億円という巨額の保釈保証金も、裁判所が簡単に保釈を認めたのではなく、かなりギリギリのところで裁量保釈を認めたことをうかがわせるものがあります。その背景には、罪証隠滅を防止する実効性ある方策を提示した弁護団の手段が奏功した面があるでしょうし、保釈しないことで今後の公判前整理手続が長期化することを避けたいと考えた、裁判所の政策的な判断もあるように思います。

ただ、東京地検はゴーン氏の妻を介した罪証隠滅を相当に問題視しており、今後、ゴーン氏や関係者の動静には注視するはずで、ゴーン氏や関係者、弁護団はかなり注意しないと、状況によっては保釈取消請求に打って出てくる可能性はあるでしょう。保釈になって良かったね、では済まない、きな臭いものも感じます。