山上容疑者、責任能力は 鑑定留置開始で専門家見解 安倍氏銃撃

山上容疑者、責任能力は 鑑定留置開始で専門家見解 安倍氏銃撃(時事通信) - Yahoo!ニュース

元検事の落合洋司弁護士は「どういう鑑定結果が出るか分からないので、(追加の捜査をするため)勾留期間を数日残して実施するのが一般的だ」として、実施時期に特に違和感はないと話す。

山上容疑者が標的を当初の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)幹部から安倍氏に変えたとされることには、「誰もが納得できる合理性はない」と指摘。この点が責任能力の判断に影響する可能性があるとみて、弁護側が鑑定を請求する前に検察側が先手を打ったのではないかと推測する。  

山上容疑者が綿密な計画を立てていたことや、ごく最近まで仕事をしていたことなどから、責任能力がないと判断される可能性は低いとみる。ただ、鑑定では事件当時の心理状態や、母親と旧統一教会の関係が及ぼした影響なども含めて調べる可能性があるという。「死刑求刑も視野に、情状面で酌むべき事情があるかどうか、資料を収集しておくのではないか」との見方を示した。

裁判員裁判が始まる前は、責任能力に問題はないと見られるが念のため専門家の意見を聞いておきたい場合に、簡易鑑定という手法がとられていました。これは、裁判所の鑑定処分許可状によらず、被疑者の同意の下に、検察官が精神科の医師に依頼し、記録の検討、被疑者への問診、必要に応じてごく簡易な心理テストといったことを行なった上で意見を出してもらうもので、それで責任能力に問題ないという結果が出た上で起訴、ということはよく行われていました。

現在、殺人罪のような裁判員裁判必須の事件では、起訴後に、裁判員にもわかりやすいように、責任能力面で問題がありそうな事件は慎重に正式鑑定が行われやすくなっていて、検察庁としても、起訴前に、本件のように正式鑑定を行うケースが増えていると言えるでしょう。