「箱根富士屋ホテル物語」

 

箱根富士屋ホテルと言えば歴史を誇る名門ホテルですが、最近、ちょっと立ち寄る機会があり、改めて関心を持って、この本を読んでみました。

著者は同ホテルの創業者一族で、単なるライターにはない、一族的な視点、感覚をふんだんに盛り込みつつ執筆していて、それは本書においては成功していると感じました。

通読して感じたのは、創業者やその一族中の後継者が目指し育んだものが、その後に経営が一族の手から離れた後も受け継がれ今に至っていて、そういうコラボレーションが結果、成果を出しているのではないかということでした。偉大な創業者が築いたものが、その後、うまく受け継がれず衰えるということはありがちですが、そうならないためにどうすべきかということを考える上でも、箱根富士屋ホテルは良い教材になるのではないかと感じるものがありました。

今後も、受け継がれてきた美しい結晶のようなものが守られ、伝えられてほしいと、読み終わり感じました。