有罪判決を受けた市職員「主催者の責任。罪は一生消えない」 明石歩道橋事故20年

有罪判決を受けた市職員「主催者の責任。罪は一生消えない」 明石歩道橋事故20年(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース

補佐する次長が置かれ、まつりへの関与は薄まった。警察との警備計画の協議は一度も出席しなかった。ただ、素案にあった「自主警備」の文言が引っ掛かった。雑踏警備は主催者側の自主警備を原則とする-。警察に削除を求めるよう部下に指示したが、「これを書かないと花火の許可が下りない」との返答だった。  結局、元部長が折れた。「どうしてあの文言をもっと問題視しなかったのか。後悔してもしきれない」。病後、なかなか出てこない言葉を絞り出す。

刑事裁判で元部長や元課長ら5人が在宅起訴され、一審は有罪判決。元部長は今も「自分をトップとする構図で、市の責任や事故の原因が全て明らかにされたのか」との疑念が消えない。

 過失犯の捜査は、発生した結果からさかのぼりながら、各関係者について、結果に近いほうから見ながら、注意義務違反がある者を特定しつつ行われるもので、刑事的には1つの評価、真実ではあっても、個々の関係者にしてみれば、意外なものであったり心外なものであるということは起きがちです。実際の事故は、様々な過失が複雑に絡み合いながら起きることが多いものですが、上記のような特定の過程において切り捨てられた中にも、結果に対して影響を及ぼした重要なものが含まれていることもあります。刑事責任を問われなかったから真っ白で何の責任もなかったとは割り切れないものが残りがちです。

亜明石歩道橋事故も、徐々に歴史の彼方へと過ぎ行きつつありますが、それぞれの関係者の立場において、風化しようにも風化し得ないものが今後も残るでしょう。そこから我々は再発防止につながる教訓を導き出せているのでしょうか。