明石歩道橋事故、元署幹部ら2審も実刑…大阪高裁

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070406it03.htm?from=top

仲宗根裁判長は「署長が雑踏警備班の人員削減を命じた際、何の指摘もなく従うなど事故原因となる事情にかかわったことも見過ごせない」と述べ、事前計画を軽んじた姿勢を厳しく指弾。
さらに、「結果のすべてを被告らだけの落ち度に帰して責めを問うのは酷過ぎる」とし、人物は特定しなかったが、1審判決と同様に、当時の明石署長(64)や副署長(60)らの過失責任にも言及した。

この事件については

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060623#1151072202

でも言及しましたが、地裁だけでなく、高裁でも上記のように指摘されているほどの事件でありながら(不起訴になった署長などは、裁判所がここまで言っている以上、起訴されていれば有罪になった可能性が高いでしょう)、当初の判断に固執し、検察審査会の判断や遺族の願いもはねつけて、不起訴を維持し続けた検察庁の姿勢は、相次ぐ無罪事件以上に、捜査機関に対する国民の信頼を失墜させるものと言えるでしょう。
これだけ多数の死傷者が出た社会的影響も大きな事件でありながら、検察庁と警察が秘密裏に談合し、刑事責任の追及を現場の責任者程度で打ち止めにして(署長等の幹部の責任は不問に付して)幕引きを図ることで、警察組織自体の責任を隠ぺいした、としか見えません。トカゲの尻尾切り、という言葉がありますが、こういうことをやっていては、検事長会同で法務大臣検事総長が立派な訓辞をしても、国民の不信感は大きくなるだけです。