「SIMロック原則禁止」が業界に与える影響 メリットばかりではない理由とは

「SIMロック原則禁止」が業界に与える影響 メリットばかりではない理由とは(ITmedia Mobile) - Yahoo!ニュース

これまでの総務省でのSIMロックに関する議論を振り返ると、国内市場の公正競争の追求に熱心なあまり、規制がもたらすデメリットについてはあまり議論されていない印象も受ける。SIMロックの原則禁止、そして端末値引き規制は5Gの普及阻害要因となり、国内の端末メーカーにも大きなダメージを与えるなど産業面では大きな影響を与えているだけに、通信産業の競争力強化という観点に立つならば、規制によるデメリットとその対処についても議論が必要ではないかと筆者は感じている。

かつては、各通信キャリアが端末を購入した利用者向けに、通信料からの毎月の割引を行っていて、高額な機種ほど買いやすくなっていたものでした。総務省のしつこい圧力で、そういう値引ができなくなった割に、従来、通信料は下がっておらず、結局、割りを食ったのは利用者だったというのが、ざっくりとした構図でしょう。ahamoなど、新たな低料金サービスは出てきていますが、端末もハイエンドなものは高額化しており、利用者は買いにくく、売る側も売りにくいという状況は続いていると思います。

やや高めの通信料をキャリアに払っても、端末購入に伴う割引が効くことで、端末購入に伴う負担を平準化したいという人と、端末は自前で用意するから通信料は思い切り安くしてほしいという人が、うまく棲み分けて共存できるようにして、通信キャリアは前者で利益を出していく、という業界構図を作っていくのが、利用者にとっても通信キャリアにとってもハッピーでしょう。総務省の従来の施策は、すべての人を後者に押し込めようとするあまり、前者を望む利用者、通信キャリアを窮地に追い込んで不便にしてしまってきた、ということではないかと思います。実情を知らない役人や大した知識もない有識者官製不況を作り出すのは、いい加減やめてもらいたいものです。