東武線踏切4人死傷 元駅長らの不起訴不当

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070119/mng_____sya_____008.shtml

議決は、元運転課長補佐と元駅長は踏切が保安係の手動で上げ下げされている実態を把握しており、過去にも保安係のミスで踏切内に通行人が立ち入る事故が二件発生していたことから、「重大な死傷事故の発生について予見可能性があり、二人の過失は認定できる」と判断。「安全対策を講じることなく、保安係の個人的力量に頼ってきた責任は大きい」として、二人に対する再捜査を求めた。

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050315#1110884073
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050321#1111390099
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050413#1113360282
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050515#1116125027
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050616#1118909075
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050618#1119086854
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050728#1122482658

といった経緯をたどり、結局、踏切にいた保安係だけの刑事責任が問われた事件ですが、さらに上位者の責任も追及すべきだ、というのが検察審査会の意見ということですね。
明石の歩道橋事故にしても、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041217#1103283370
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060407#1144415566
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060623#1151072202
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061019#1161212661

といった経緯をたどっていて、この種の事故における監督過失については、

1 検察庁の消極的な判断に、遺族などから強い疑問が呈される
2 民事判決や検察審査会の議決などでも、上記の疑問を裏付ける判断が示される
3 遺族が、検察庁に再捜査を求めても、当初の判断に固執し動かない

という、一種の悪弊が染みついてしまっている印象を受けます。
この種の過失の評価は、難しいもので、華々しく特捜事件などに関わっているような高揚感も感じられず、地味な分野ですが、過去の起訴例や裁判例等も精査し、裁判所の判断を仰ぐことなく不起訴にするのであれば、きちんと納得できる理由、根拠を示す、ということも必要でしょう。それができないのであれば、民事判決や検察審査会の議決を尊重し、起訴して裁判所の判断を仰ぐ、ということも、必要な場合があるのではないか、と思います。