安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由

 

安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由

安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由

 

 かなり話題になり、売れているようですが、私も読んで、最近になって読み終えました。

森友学園事件については、問題が報道されるようになった当初から、私も注目しており、また、その後、かなり取材も受けて(その中にはNHKからのものもありました)、読んで時系列をたどりながら、あの時はああだったな、こうだったな、といった記憶のよみがえり、確認がありましたし、私自身は知る由もなかった、報道の裏側の内幕は、そうだったのかといった驚きや発見もありました。

また、日頃はなかなか知り得ない、取材、報道の仕組み、流れが具体的に語られているのも、類書にはないもので興味深く参考になりました。

報道に、果たしてNHK上層部の圧力や政権への忖度があったのか、この本だけで断定はできないと思いますが、きちんと裏付けを取って報じられるものは報じていくという現場感覚とは違ったものが、常に著者の前に立ちはだかって、真相の包み隠しのない報道が十分に行われていなかったのではないかという、合理的な疑いはあるように感じられました。著者は、最終的に現場からはずされ、そして退職という道を選びますが、その経緯にも、読者の多くは不明朗なものを感じずにはいられないでしょう。

この著者の書いていることが違うのだ、真実は異なるのだと、NHK当局が主張したいのであれば、きちんと具体的に反論すべきではないかと感じました。

著者にはお会いしたことがありませんが、お会いする機会があれば、いろいろと聞いてみたいと考えています。