<認知症>精神鑑定実施、地裁で差 軽微な犯罪は敬遠も

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180120-00000029-mai-soci

認知症患者が被告となる刑事裁判で、精神鑑定の実施を認めるか否かの対応が裁判所によって分かれている。高知地裁では、弁護側が医師の意見書を示して鑑定を求めたのに裁判官が拒否し、控訴審で「法令違反」と批判を浴びた。一方、大阪地裁では裁判官が被告の言動をみて自ら鑑定を提案。認知症についての理解の温度差が判決にも影響している。

法務省によると、検察が認知症の影響を調べる精神鑑定をどのような場合に実施するかは内規などで決まっておらず、事件ごとに検察官が判断している。

私自身、検事として捜査の経験もあるので、こういった事態は体験的にもわかる面があるのですが、それほど重大な事案ではない、認知症の傾向があるがそれほど重度ではなく会話のやりとりも成立している、といったケースでは、わざわざ精神鑑定をするまでもないだろうと判断して処理、ということになりがちな面があると思います。しかし、医師の専門的な判断ではありませんから、そういう捜査官的な発想、処理の中で、本来、行うべき精神鑑定が行われないままになって、ということは起きがちでしょう。そこは裁判官も同様の誤りを犯す可能性が常にあると思います。
捜査段階で、これは問題があるなと感じられたら、とりあえず簡易鑑定をやってみるという、フローのようなものが必要という気がします。