https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171217-00000015-asahi-soci
この事件では、犯人が身につけていたとみられる袖が紫色のトレーナーやマフラーなど複数の所持品が現場に残されている。警視庁はこれまで約26万3千人の捜査員を投入したが、解決には至っていない。
私は、こういう仕事をしていることもあって、過去の事件について書かれたものを読むのが割と好きなのですが、未解決に終わった、例えばグリコ・森永事件にしても赤報隊事件にしても、証拠物はいろいろとあったにも関わらず、犯人にたどり着けず、結局、迷宮入り、未解決に終わっています。警察の捜査力の無さと批判するのは簡単ですが、では何が足りないのか、何を強化すれば良いのか、まずは警察内部で真摯に、具体的に検討する必要があるように感じます。
手元に平成29年版の犯罪白書が届いて、少しずつ読んでいるのですが、平成28年の刑法犯認知件数が99万6120件であるのに対し、上記事件が起きた平成12年(2000年)は、平成8年以降、平成15年に現象に転じるまで、刑法犯認知件数が戦後最高を更新している最中で、実に244万3470件に達し、前年より27万7844件も増えています。バブル崩壊や金融危機などを経て、日本の治安が悪化する中で起きたのが上記事件であり、当時の時代を象徴する事件と言っても過言ではないでしょう。全面解決により、当時を象徴する事件に終止符を打つことこそ、警察に強く求められていることを改めて感じます。