「汚れた手、子供なでられるのか」 誤認逮捕で自白迫る

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捜査段階から容疑を否認してきた男性。判決では、大阪府警の取調官が男性に何度も自白を迫った際の文言が明らかにされた。
「その汚れた手で子どもの頭をなでてあげられますか」「反省する気持ちはないのか。お前が犯人である証拠はそろっている」「いくらでも捜査は続ける。お前は普通じゃないんやで」
男性は85日間の拘束の末に釈放されたが、一連の捜査で精神的なストレスから抑うつ反応を発症し、今も休職と復職を繰り返す。

従来の取調べは、被疑者が犯人であるという確信を持って取り調べることが重視され、粘り強く執拗に迫ることが「良い」取調べとされていて、その際に、相手の人格に踏み込むような、家族のことを考えて早く自白したほうが良いといった取調べも必要視されてきた側面があります。
しかし、本件のように、見込み違いの冤罪、という場合は、そうした取調べは、たちまち、虚偽自白を誘発することになりかねず、非常に危険なものであるということが言えるでしょう。密室での長時間取調べ、その中での上記のような取調べの在り方、といったものが、根本的に見直されるべき時に来ているという印象を受けます。そして、それに代わる取調べスタイルや効果的な捜査手法がなかなか見出しがたいところが、捜査機関が直面する大きな問題であり、かなり悩ましいところと言うべきではないかと思います。
こういった問題を、何とか打開して捜査に新たな局面を見出せるかが、今後の大きな課題であろうと私は強く感じています。