第2回日韓法学専門大学院交流会共同シンポジウム(於・慶北大学グローバルプラザ)

19日から韓国入りして、20日午後に開催された上記シンポジウムに参加してきました。日本の法科大学院協会と韓国の法学専門大学院協会かが、昨年から開催しているもので、昨年は日本で開催されて、第2回が、今回、韓国で開催されました。私は今回が始めての参加でした。
韓国の法科大学院制度は、日本より後発であるものの、今のところ大きな問題もなく成功しているという評価を受けていますが、日本の現状に鑑み、韓国へ行って関係者の話を聞き実状に接することができるのは参考になりそうだ、というのが参加の動機でした。
シンポジウムでは、日本、韓国のそれぞれから、法科大学院教育の実際や問題点などが紹介され、双方から質問や意見が出されて、私は聞いているだけでしたが、なかなか興味深いものがありました。あくまで聞いていた印象ですが、韓国の法科大学院制度が順調に推移している背景には、政府主導で制度が設計され設置等が行われたことが大きく影響しているように思われました。日本でも、一時、規制が緩和されればすべてが好転する、といった、牧歌的な規制緩和論が盛んだった時期がありますが、物事には、それが妥当するものとそうではないものがあって、法曹養成制度のような、一国の司法制度の根幹に関わるような事柄は、意見を幅広く柔軟に取り入れながらも、国が(どの部署が担当するかは複数の考え方があり得るものの)責任を持ち主導して行う、ということに大きなメリットがあるのではないか、ということを率直に感じました。
シンポジウムの前には慶北大学法学専門大学院の校舎(設備が整い良好な環境でした)を見学でき、また、昼食会やシンポジウム後の夕食会で、韓国法学専門大学院関係者と懇談でき、有意義なシンポジウムとなりました。開催にあたり尽力された関係者の皆様に御礼を申し上げます。