無給の「ノキ弁」も…弁護士は増えすぎた? 日弁連新会長誕生で議論再燃

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100411-00000524-san-soci

そもそもいまの法曹人口拡大策は、日弁連も合意したうえで閣議決定されたことだった。経済の国際化や社会問題の複雑化などで法的トラブルの増加が予想されることなどを理由に、司法制度改革の一環として決められたことで、基礎となる議論を行った政府の「司法制度改革審議会」には、法学者や裁判官、検察官だけではなく、弁護士の代表も加えられていた。
「今ごろになって、『弁護士が多すぎる』なんて言い始めるのはおかしい」。ある法務省関係者は、こう眉(まゆ)をひそめる。

刑事事件という側面で見ると、裁判所や検察庁は、弁護士が増えれば、国選事件を担当する弁護士も増える上、うるさく、厳しく取り組む弁護士が担当する割合が低くなり、さっさと片付いて終結できるので増員は歓迎、というのが本音でしょうね。上記の記事にある「眉をひそめる」法務省関係者には、そういった思惑もあるということは言えるように思います。
かつての小泉改革も、その後、見直されていて、一旦決めたことは未来永劫変えるべきではない、という議論は正当性を持ち得ない一方、弁護士が増えすぎたという話も、どこまで実証的に論じられているのか、増えた弁護士をもっと活用するとか仕事を増やすということはできないのか、といったことも検討しないと、単なる弁護士業界の後ろ向きなエゴになりかねないでしょう。司法制度改革の様々な流れの中には法科大学院制度もあり、司法試験合格者数を大きく絞り込んだ場合、現行の法科大学院制度をどうするか、ということも避けて通れない問題になります。
妙案はなかなか出てこないものの、ここまで議論が噴出し錯綜している以上、国会で特別委員会でも作って徹底的に議論するという程度のことはやらないと、方向性も解決方法も見えてこないのではないかと思います。