問題だらけの違法ダウンロード拡大、漫画家からも悲痛の叫び。参議院議員会館にて開催された院内集会レポ

問題だらけの違法ダウンロード拡大、漫画家からも悲痛の叫び。参議院議員会館にて開催された院内集会レポ – すまほん!!

各界からの強い反対によって、憲法違反の疑いの強いサイトブロッキング(アクセスブロッキング)は頓挫したものの、今度は文化庁が違法ダウンロード対象を静止画に拡大するという新たな動きを見せていた昨今ですが、2019年2月8日、参議院議員会館にて「違法ダウンロード範囲拡大を考える院内集会」が開催。100人ほどが参加。約10名ほどの議員・元議員も来ていました。

落合洋司(元検察官/弁護士)

 こういう刑事罰が導入されても処罰者はなかなか出ないだろう、なぜなら立件されて検察庁に来ても形式的には違法性があっても起訴価値が低い、と落合先生は予測。萎縮効果の弊害のほうが大きいだろうと感じる、としました。

 処罰されないよう限定する「事実を知りながら」に何を込めるか?刑法の世界では、確定的後、未必の故意がある。心理状態、未必の故意か過失か、事案によって微妙。捜査当局が追及すれば立件されることはあり得る。たとえば公安、事件化したいと思えば、なくはないため、この問題は非常に危惧せざるを得ないと感じるといいます。(とりあえず公安担当の極左暴力集団への転び公妨など別件逮捕には使われそうな予感ですね)

この院内集会に参加して、私もちょっとコメントしてきたのですが、問題点が浮き彫りになっていて、なかなか参考になる院内集会でした。上記の記事は、よくまとまっていて、参加しなかった人にもわかりやすいです。

以前の映画、音楽著作物のダウンロード刑罰化の際よりもはるかに、「何がダウンロードしたら違法で刑事罰を受けるのか」が不明瞭になってしまい、インターネット利用者への萎縮効果が深刻なものになる恐れがあります。処罰範囲を限定するための提案が、登壇者からいろいろと言われていましたが、法技術的には難しいものがあるように感じられました。「事実を知りながら」という程度の要件では、未必の故意も含まれてしまいかねず処罰限定機能は期待できません。

試案としては、「対価支払を免れ権利者に損害を及ぼす目的」といった目的犯にして、漫画を丸ごとダウンロードするような悪質行為に処罰範囲を限定するのも1つの方法ではないかと思います。

処罰範囲が広範な規定が安易に成立すべきではないでしょう。