巨大戦艦 大和〜乗組員たちが見つめた生と死〜

http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=12n720120811

戦艦大和の誕生から最期までを、ごく少数となった元乗組員の貴重な証言を軸に記録するとともに、「特攻」へと突き進んでいった海軍上層部の議論を掘り起こし、朗読ドキュメントとして伝えます。また、大和に4人の乗組員を出し、3人の死者を出した小さな村を訪ね、そこで起きた悲劇を、証言と再現ドラマを交え詳細に描きます。

録画しておいて、番組途中から追いかける形で観たのですが、見応えはあったものの、3時間は長く、疲れました。途中の再現ドラマも、悪くはありませんでしたが、3時間にも達するならば、もっと工夫して短くできるようには思いました。
とは言え、今なお大きな注目を集める戦艦大和について、その成り立ちから最期までを、乗り組んで生き残った人々(当然ながら、皆、90歳前後とかなりの高齢)などの証言を交えながら紹介していて、資料としての価値もかなり高いのではないかと思われました。
日本海海戦の成功体験に大きく影響された艦隊決戦思想が生み出し、完成した時点で既に海戦の在り方が艦隊決戦から空母を主役とした航空戦へ移行していた、その意味で、時代遅れの悲劇的な巨大戦艦で、持てる大きな力を発揮しないまま最期を迎えてしまいましたが、そのことは、その中で懸命に生き戦って死に、傷ついた人々の努力や尊い犠牲をいささかも減じるものではない、ということを、改めて強く感じました。蒼い海で散った人々への鎮魂にも、この番組は役立ったのではないかと思いました。