貧しい被告に裕福な裁判員は不利? 趣旨反する“裁判員外し”明らかに

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100107-00000529-san-soci

ある弁護人は、貧しい被告と同年代で富裕層と思われる男性候補者を外した。温情に訴えるのが困難と判断したためで、「小さな“芽”かもしれないが、事前に摘んだことは無駄ではなかった」という。
ほかには、感情移入しやすい被害者と近い年代や性別の候補者を避けた例が目立ち、面接で消極的な候補者を希望通り不選任にしたケースもみられた。ただ、別の弁護人は各候補者の年齢や職業を教えるよう裁判所に求めたが断られたといい、「結局は見た目だけで判断した」としている。
逆に理由なき不選任をまったく使わなかった弁護人は「面接で偏見を感じなければ、弁護人が使う必要性はないのではないか」と話す。

昔、ある地検で勤務していた際、ホームレスによる恐喝事件を起訴したことがありましたが、起訴直前に被疑者に聞くと、知らないどこかのクリスチャンのおばさん(おばあさん?)が被害弁償を全額してくれた、と喜んでいて、世の中には奇特な人がいるものだなと感じたことがありました。こういう奇特なおばさん、おばあさんは、富裕層と思いますが、裁判員になれば、貧乏人にはかなり同情してくれそうな気がします。そもそも、貧乏人に同情してくれるのは貧乏人かというと、必ずしもそうではなく、犯罪を犯していない貧乏人のほうが、かえって犯罪を犯した貧乏人には厳しくなる可能性もあって、判断は難しいでしょう。
こういった場面でも、当事者の、今までの知識、経験を踏まえた事件に対する見方、考え方といったものの差異がかなり出てきそうな印象を受けます。