安倍元首相を再び不起訴に 「桜」夕食会の費用補塡問題、捜査終結

安倍元首相を再び不起訴に 「桜」夕食会の費用補塡問題、捜査終結(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

東京第一検察審査会は今年7月、夕食会の費用補塡が参加者に会費以上の利益を供与したという公選法違反(選挙区内の寄付)、安倍氏が代表の政治団体「晋和会」の会計責任者の選任・監督を怠ったという規正法違反の両容疑について不起訴は不当だと判断した。議決書では「一部の参加者の供述で参加者全体の認識の目安をつけるのは不十分だ」「メールなど客観証拠も入手して判断すべきだ」と捜査不足も言及した。

このため特捜部は、範囲を広げて参加者らを聴取したり資料を再精査したりしたが、寄付を受けた認識は参加者になかったなどと改めて判断した。

この問題については、昨年11月にアベマテレビに出た際、

times.abema.tv

と話をしたことがあるのですが、その際に、

「ニューオータニのような高級ホテルで飲み食いするのであれば、どう考えても1万円ぐらいはかかると思うが、この前夜祭は1人5000で済んでいる。私も以前から感じていたのは、その差額部分はどうなっていたのか、ということだ。一つの見方としては、政治資金規正法で禁じられている、政治家から選挙区に対しての寄付、あるいは公職選挙法における買収という捉え方をするのが実態に即した判断ではあると思う。ただ、法的には1円であっても寄付してはいけないことになっているが、1円を寄付しただけで起訴するかといえば、実際にはそうではない。あくまでも社会通念上、“これぐらい寄付すると良くないよね”という金額が出てこないと、なかなか起訴まではいかないだろう。今回も、1人あたり数千円の負担が数百人規模になっていた、ということになってこなければ難しいかもしれない」。

とコメントした、そこが最後の最後には不起訴に、この事件を傾かせたという印象を受けますね。

寄付を受けた認識、といったことは、常識、社会通念に照らし、ニューオータニのような東京都心の一流ホテルで、いくら粗末なものしか出なかったとしても(政治家のパーティーというのはそういうものですが)、物の道理がわかりにくい、とぼけた田舎者が受けたものであっても、1人5000円で済むはずがないだろう、そういう認識がないはずがないだろうと、「推認」での認定は可能であっても、上記のような、この事件の、事件としての限界は自ずと存在します。おそらく、特捜部は、やってはみたものの、そういった事件に内在する限界から、この事件を「捨てた」ものと推測されます。無理に立てようとしても、安倍氏にまでは到達できない、そうであれば無理しても仕方がないという判断もあったでしょう。

ただ、刑事事件としてはこうして終結しても、選挙民を大挙して上京させ、桜を見る会に多額の公費を支出し、国民の税金を使って飲み食いさせていたという誰かさんの行為が免責されるものではなく、歴史上の一大汚点として残ることにはなるでしょう。