遺族14人、夢つづる 日航機墜落、22冊目の文集

http://www.asahi.com/national/update/0812/TKY200808120107.html

栗原さんの自宅には、孫の祥(さち)ちゃん(当時1)がはいていた赤いサンダルや、嵩志さんが愛用したランニングシューズなどがある。23年たった今も2人のぬくもりが感じられるこうした遺品と、原形をとどめない機体が頭の中で結びつかない。なぜ、子や孫は命を絶たれてしまったのか。
「事実はそこにあるが、それを解明することのできないもどかしさ……」
嵩志さんたちが帰ってくるという、かなわぬ夢を胸に栗原さんは思う。航空機事故の再発防止という願いはなぜ届かないのかと。

亡くなったご一家の幸せそうな写真、その写真の中でお子さんがはいている、おそらくお気に入りであったと思われる赤いサンダル、その遺品のサンダルをじっと見つめる祖父の姿を見ていると、改めてこの事故が未曾有のもので、犠牲者だけでなく残った多くの人々の運命も大きく暗転させた、ということを感じさせます。
昨日は、23回目の「あの日」でしたが、あの暑かった一日を思い出しつつ、犠牲者のご冥福と、空の、それ以外の分野での安全ということを祈念したいと思います。