【法廷から】執行猶予で示談金残額支払い?

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080130/trl0801301058001-n1.htm

示談について話が及ぶと、弁護人は鼻息を荒くした。
「被害者に示談の説明をしたとき、(100万円のうち)まず30万円支払い、執行猶予判決が出たら残りの70万円を払うと約束ができていた。ところが、検察官が出してきた証拠と話が違う。加害者には『実刑になったら70万円を払えません』と言っている」
弁護人が問題にしたのは、検察側が提出した被害者の示談後の供述調書。弁護人が読み上げた内容によると、調書では「残額も支払わなければ勘弁しない」となっており、これに弁護士が「話が違う」と憤っていたのだ。
刑事弁護に詳しいベテラン弁護士によると、執行猶予判決が出たら残額を支払うという形の示談のやり方は、「あまり聞かないし、一般的ではない」という。当事者間で合意ができているのならば問題ないとはいえ、こうした示談のやり方には違和感を覚えた。

執行猶予になるかどうかは、あくまで裁判所が決めることなので、執行猶予にしろ、しないと残額は払えないぞ、という示談は、裁判所に与える印象があまり良くないものになってしまう可能性があるでしょう。そもそも、「実刑になったら70万円を払えません」と言っても、刑務所を出て再び収入が得られれば、分割でも払えるだろう、と言われてしまう可能性があります。
弁護人の鼻息が本当に荒かったのかどうか、見ていないのでよくわかりませんが、ここは、鼻息を荒くしたり開き直ったりするところではなく、被告人に執行猶予を付し社会内で着実に更生することが、同時に、被害者救済にもなり望ましい、と裁判所をきちんと説得すべきところ、という印象を受けますね。