高杉良氏のモデル小説「乱気流」、名誉棄損で損害賠償

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070411-00000012-yom-soci

判決はまず、モデル小説について、「読者が事実か虚構かを区別できないような場合は、小説の記述が実在の人物の名誉を傷付ける場合がある」と指摘。その上で、小説に描かれた社長の経歴が鶴田前社長とほぼ合致していることなどから、「登場人物が鶴田前社長らと特定できる読者は相当数存在する」とし、モデルとなった鶴田前社長らの社会的評価を低下させると結論づけた。

この種のモデル小説における名誉毀損性の判断の在り方については、以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050831#1125484322

で触れたことがあります。裁判所の判断手法には確立しているものがあって、今回の事件でも、従来の手法を踏襲し手堅く判断されているようです。
モデル小説というものは、読者が、実在する組織や人物等を想起しつつ読めるので、それだけおもしろい面がありますが、それだけに、書かれた側の実在する組織や人物等としては誹謗中傷と捉える場合も少なくなく、今後もこの種の紛争は繰り返されるでしょう。
作者、出版者にとっても、従来の裁判例は参考になると思われます。