さく発見から10分間の悲劇 埼玉のプール事故

http://www.asahi.com/national/update/0802/TKY200608020458.html

社員が近くにいた別の女性監視員に「人を近づけるな」と言い残して、補修用具を取りに事務室に戻った。
女性監視員は、プールサイドに立ち、手で払うようにして吸水口に近づかないよう遊泳客に呼びかけた。ところが、同1時40分ごろ、潜水していた瑛梨香さんが吸い込まれた。見ていた女性監視員は「入った」と叫び、社員に知らせに向かった。

「人を近づけない」ために、即時、プール利用を停止すべきであったと言えるでしょう。全員をプールから外に出していれば、利用者の不満はあったとしても、重大な事故は防げた可能性が高いと思います。
少なくとも、すぐに起流ポンプを停止していれば、人が吸い込まれることはなかったのではないかとも思います。
避けられなかった事故ではなく、複数の関係者の過失が競合した人災、という印象を強く受けます。

「プール事故:難航極めた救出…レスキュー隊員が証言」
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060803k0000e040052000c.html

自分の娘の姿と重なったというこの隊員は「もうすぐ出られるよ」「もうちょっと頑張って」と震える声で励まし続けた。パイプが二つに割れ、小さな体中に無数の擦り傷を負った瑛梨香ちゃんの体が出てきたのは同7時40分過ぎ。「痛かっただろうね」「苦しかっただろうね」。回りを囲む隊員たちは泣き崩れたという。

先日、映画「日本沈没」を観ましたが、ハイパーレスキュー隊員が、ヘリコプターに吊り下げられた状態で救助に現れると、映画を観ているだけの立場でも、思わず、「助かった」という気持ちになりました。
人身の危険に無頓着なまま、プールの監視業務(「監視」になっていないので監視の振りをしているだけとも言えますが)に従事している者がいる一方で、こういった極めて困難な救出活動を献身的に行っている人もいる、ということに、複雑なものを感じます。