丹沢母子水難:売店で「危ないので避難を」…3人遺体確認 父親「車が横転、水が入ってきた。窓ガラス割って…」

http://mainichi.jp/select/news/20140802k0000e040257000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20140802k0000e040257000c2.html

大森さんは事故の直前、メインキャンプ場にある売店に1人で買い物に出かけていたが、売店の従業員に「危ないので避難した方がいい」と言われたという。テントに戻った大森さんは、家族を乗せて車で避難しようとしたが、急な増水で移動が間に合わなかったとみられる。大森さんは「車が横転し、水が入ってきた。窓ガラスを割って子供を外に出し、自分も脱出した」と話しているという。

車は30メートル下流に流されているのが見つかり、テントはそのままの状態で残っていた。

テレビニュースで現場の様子を見たところ、上記のように、テントは張ったままで流されずそのままの形で残っていて、結果論なのかもしれませんが、車で増水した川の中に入るという選択をせずテント内やその付近で救出を待つという選択をしていれば、助かったのではないかと感じるものがありました。ただ、川がみるみるうちに増水している状況では、早く脱出をと考える気持ちになるのも無理からぬところで、不幸な事故であったと言うしかないでしょう。中州という場所が、豪雨により危険にさらされやすい場所であるという認識をもっと持って、増水前に、より早く避難してほしかったと、残念な気がします。
十数年前の、今回の現場からそれほど離れていない場所であった、増水時に中州に取り残された十数名の人々の死亡事故は、私はまだよく覚えているのですが(当時は衝撃的な事故として大きく報じられていたものでした)、人々の記憶の中では既にかなり風化してしまっているのかもしれません。しかし、そういうことの繰り返しでは、教訓が生かされず、また同様の事故が起きてしまうでしょう。起きた事故の原因を明確化し、できるだけ広く、長く共有する、そのための手段、方法を単なるかけ声で終わらせず持っておく、ということを、社会の仕組みとして定着させる必要があります。。楽しいはずのキャンプが一変し、川の中で車が横転して絶望の中を流されていったお母さんやお子さんのことを思いながら、そのことを改めて強く感じています。