秋田・女児殺害(?)事件と甲山事件

甲山(かぶとやま)事件は、養護施設で起きた殺人事件で、熾烈に争われ、最後に被告人が無罪となった著名事件ですが、そこで問題となった被告人の自白が、秋田の事件について報道されている自白と、非常に似ている、と思いました。
甲山事件での自白は、浄化槽の近くで遊んでいた児童に声をかけたところ、その児童が誤って浄化槽内に転落してしまい、このままでは当直職員として責任を問われると思い、あわてて浄化槽のふたを閉めた、といったものだったと記憶しています。そして、他の職員が当直の際に事件が起きれば、自分が助かると思い、別の児童を浄化槽に落として殺害した、という自白もあったと記憶しています。
甲山事件の自白については、

自白の分析と評価―自白調書の信用性の研究 (Keiso c books)

自白の分析と評価―自白調書の信用性の研究 (Keiso c books)

で読んだように思います。ちなみに、この本は、「自白」というものを考える上で、非常に優れた内容で、読む価値のある一冊です。私は、司法修習生から新任検事にかけての時期に、その中にある裁判例のコピーを図書館でとったりして、一心不乱で読んだことがあります。現在、品切れのようですが、古書店で探し出しても読む価値があります。
甲山事件の自白は、結局、信用性を否定されましたが、秋田の事件の自白が、このまま維持された場合、どのような評価を受けることになるのか、気になるところです。