揺らぐ「供述弱者」の自白 冤罪の一因に 38年前の滋賀・日野町事件

揺らぐ「供述弱者」の自白 冤罪の一因に 38年前の滋賀・日野町事件(産経新聞) - Yahoo!ニュース

供述弱者は他者に迎合する傾向があり、取り調べや公判で内心と反することを述べるなど、自身の利益を守ることが難しいとされる。知的障害者や子供が分かりやすいが、他にもこうした特性がある人は少なくないとされる。刑事司法では、自白が「証拠の王」といわれるほど重視されてきた一方、一定の容疑者や被告の弱者たる特性は十分に考慮されておらず、冤罪(えんざい)を生む一因になってきたと指摘される。

前に、虚偽自白に関する私自身の経験を書いたことがありますが

yjochi.hatenadiary.com

一旦、虚偽自白がもぎ取られてしまうと、嘘の上に嘘が積み重ねられていく状態になりがちで、非常に危険なものがあります。

防止するためには、録音録画や弁護人の立会により虚偽自白を生まないことが必要であると同時に、事後に、最終的には裁判所が、自白の任意性、信用性を慎重に評価し、矛盾、変遷がある自白を安易に採り入れないことも必要です。

私も、若手検事の頃は

といった本を熟読して、信用される自白、されない自白とはどういうものか、考えたものでしたが、自白の任意性や信用性の評価について、伝統的に裁判実務で積み上げられてきた手法は、裁判所でも継承される必要がありますし、裁判官以外も自白というものを見ていく上で参考にすべきだと思います。

日野町事件の捜査が行われたのは、平成を目前にした頃であり、当時もこのような乱暴な捜査が行われていたことは驚きであり、令和になっても起き得るものだという認識を持って捜査というものを見ていく必要があると思います。