NHKと日経、ライブドア捜索着手前に「強制捜査」報道

http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY200601160282.html

検察庁が、ある程度の規模で、複数の場所にガサ入れする際、それぞれの場所について、捜索班が編成されます。
各班には、ベテランの検察事務官が責任者として配され、特に重要な場所、法律上の問題が発生しそうな場所には、検事も同行します。また、関係者の自宅のような場所では、女性事務官も同行するのが通例です(女性の持ち物に対する捜索等で、男性が担当しては好ましくない状況が生じうるため)。
こういった捜索については、各場所へ捜索班が到着し、準備が整ったことを確認して、検察庁にいる主任検事等の指揮により、一斉に捜索に入る、というのが通例でしょう。重要な捜索場所について、立会人が得られないとか、鍵が開かない、といったことで捜索が困難であれば、一旦、着手を見送って、日を改めるなどして着手する、ということもあり得ます。マスコミ等に察知されないように、検察庁から捜索場所へ向かう際も、ぞろぞろと一緒に出て行かず、バラバラで出て行く、ということも行われています。開始予定時刻通りに開始できない場合も当然出てきます。
今回の捜索については、NHKがすっぱ抜くまでは隠密に行われていたようで、情報がかなり秘匿されていたようですが、上記のNHK等は、何らかの方法により、他社に先駆けて情報を入手したのでしょう。スクープしようとして、捜索に着手したことを十分確認できないまま、フライング報道をしてしまったものと推測されます。
特捜部としても、報道されてしまった以上、今さら後には引けなくなった可能性もあるものと思われますが、上記の通り、支障が生じて着手を見送る場合もありますから、フライングしてしまったマスコミは、危ういところであったと言えると思います(「強制捜査」と報道して、着手しなければ、とんでもない誤報です)。また、フライングされたことで、後に引けない状態に追い込まれかねなかった特捜部としては、こういった「前打ち」は許し難いと考えているはずで、今後、よくある「出入り禁止」といった処分(?)が行われる可能性もあるのではないかと思います。