<東名転落事故>ひき逃げ容疑で運転手数人を聴取

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050331-00000052-mai-soci

問題になっているのは、道路交通法のこの規定のはずです。

(交通事故の場合の措置)
第72条
1 車両等の交通による人の死傷又は物の損壊(以下「交通事故」という。)があつたときは、当該車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官か現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
(2項以下略)

実務上、よくある弁解(もちろん、真実の場合もありますが)は、「事故に気づかなかった」というものです。本当に事故を認識していない場合、あるいは、認識していたことについて証拠上合理的な疑いが残る場合は、上記の救護義務違反・報告義務違反には問えない、ということになります。
ただ、上記のような認識については、未必的(いろいろな定義がありますが、事故かもしれない、ということを、ある程度の蓋然性として認識していること、と言えるでしょう)なものも含む、というのが実務の取り扱いです。
このような問題点があるため、上記のニュースで、

人をはねた認識を含め、当時の状況について、事情を聴いている。

とあるように、警察は、客観的にはねたかどうかだけではなく、主観的にその事実を認識していたかどうかを慎重に捜査するということになります。
交通事故の際、上記の規定に違反すると、いわゆる「ひき逃げ」ということになり、犯情も悪くなって罪も重くなります。