タクシー客転落、運転手が放置か 後続車にひかれ死亡

http://www.asahi.com/articles/OSK201312140061.html

大阪市内から乗せたが、自宅付近に着き、詳しい道を尋ねようと振り向いたらいなかった」と話しているという。

報じられている映像を見る限り、乗客が何らかの理由で自ら走行中の車両から外に出て転落してしまったようですね。
道路交通法は、72条1項で、

交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

と、運転者等に救護、報告義務を課していますが、「交通事故」について運転手等に故意、過失があることは要件になっていないので、「交通事故があった」という状況が発生し、それを運転者等が認識していれば、法が要求する措置を講じる義務が生じます。勝手に飛び出したから飛び出した人の自己責任、というわけには行かない規定になっているわけです。それだけ運転者等の立場や事故時の対応を重視している、ということになるでしょう。
こういう規定がありますから、事故が生じたとわかった場合は、すぐに車両を停止し、状況を確認しつつ必要な危険防止、救護措置を講じるとともに、警察への通報を励行する必要があります。