「徳川家康と今川氏真」

 

NHK大河ドラマ「どうする家康」でも、徳川家康今川氏真の確執、対決や和解が描かれていましたが、本書を知り、両者の関係が史実ではどうだったのかと思って通読してみました。

読んでみて興味深かったのは、最近になって判明したようですが、今川氏真の妹(武田義信の元妻)が、徳川秀忠の上臈(家老)として長年仕えていて、おそらく、徳川家の大奥に今川流の作法を定着させ、また、武田家や今川家の旧臣たちの相談に乗り徳川家への仕官の道を開いていたことでした。駿河遠江三河の旧太守として、今川氏真徳川家康と良好な関係を継続しつつ、徳川家に協力していた軌跡が、本書では明らかになっていて、参考になりました。

戦国大名としては成功できなかったものの、徳川家康との関係を維持しながら、したたかに生き抜いた今川氏真の生涯への理解が深まりました。