NHK大河ドラマ「どうする家康」では、浅井長政による裏切り、織田信長攻撃が描かれつつありますが、幼少時の淀殿もドラマに出てきていて、以前に買って読んでいなかった本書が良みたくなり読んでみました。
1614年の大坂冬の陣の直前の、徳川幕府から大坂退去等を求められた豊臣家内部での争い、淀殿や豊臣秀頼と家老であった片桐且元とのやり取り、片桐且元の失脚が、残された文書から読み解かれていて、なかなか興味深いものがありました。
感じたのは、淀殿や豊臣秀頼が家中を掌握できておらず、対幕府強硬派に翻弄され、頼るべき者にも去られ、大坂冬の陣へと突入していく、戦略、戦術なき姿で、豊臣家が滅ぶべくして滅んだように思われました。
史料に基づき緻密に論じるスタイルも好印象で、読んで良かったと思いました。