「承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱」

 

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も、いよいよ承久の乱へ向けて動きつつありますが、そういう中でこれを読みました。今年の今頃に読むつもりでいたので、その意味では予定通りでした。

特に感じたのは、後鳥羽上皇と良好な関係を取り結んでいた三代将軍源実朝暗殺がなければ、承久の乱もおそらくなく、朝廷方が大敗して、この本の副題にもなっているような武者の世が開けていく流れにもなっていなかっただろうということでした。その意味では、1つのテロが、世の中の流れを大きく変える切っ掛けになったということになります。残念なことですが、世の中ではそういうことが起きることもあるということを、最近起きた安倍元首相狙撃・殺害事件やその後の展開も想起しながら考えさせられました。

新書ですが、著者が意欲的に書き込んでいて、中身が濃く、参考になる1冊でした。今後の大河ドラマ鑑賞にさらに身が入りそうです。