「街道をゆく21 神戸・横浜散歩、芸備の道」

 

 私の父方の祖母の実家が、この本でも取り上げられている三次(みよし)で、広島県中部にある中核都市なのですが、もう20年以上行ったことがなく、読んでいるうちに行きたくなってきました。三次からそれほど離れていないところに、毛利家の居城であった郡山城址があって、そこには比較的最近、行ったのですが、本書を読んでいて、国人領主から身を起こした毛利元就が、知略、謀略の限りを尽くしつつ中国地方の覇者になっていく様がありありと目に浮かぶようでした。

港町である神戸、横浜が取り上げられていて、江戸幕府開港後に開港された神戸と、幕府崩壊前から開港していた横浜の性格の違いなどが対比されつつ紹介されていて、おもしろいものだと思いました。

新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか旅に出にくい現状で、司馬遼太郎と一緒に日本全国を訪ね歩いた気になれる本シリーズは、今の時代にぴったりな気がします。