「ロシアについて 北方の原形」

 

ロシアのウクライナ侵攻の関係で、司馬遼太郎による本書が改めて読まれているという情報に接し、私も読んでみました。その存在は知っていましたが、読むのは初めてでした。

ロシアが、前身の国において、古くはモンゴル帝国による暴力的な支配に苦しみ、その後も領土拡張へ向けて動いてきた歴史が、司馬遼太郎らしい、わかりやすい文章で語られていて、ロシアという国を考える上で大変参考になる内容でした。日本との歴史的な関係にも話は及んでいて、北方領土問題や今後の対露政策を考える上でも考えさせられるものがありました。

ロシアについては、ウクライナ紛争もあり、刺激的で耳目を集める論説が横行する傾向にありますが、こうした良書を通じて、冷静にロシアという国を見ていく重要性を痛感しました。