「直感と論理をつなぐ思考法」

 

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN

  • 作者:佐宗 邦威
  • 発売日: 2019/03/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 参加しているビジネス書読書会の、今月の課題図書になっていたので通読してみました。最近、読んだビジネス書の中では、かなりおもしろい、刺激を受ける1冊でした。

著者は、「妄想」をまず打ち立てて、そこから試行錯誤、フィードバックを繰り返しながら具体化、具象化していくモデルを推奨します。様々なデータを分析、計測しながら積み上げていくような論理先行の方法には限界があるとします。そういった著者の見方、考え方が、本書では、様々な具体例、エピソードを交えながら紹介されていて、私自身も、あ、そういうことがあったな、といった思い当たることもいろいろとあって、おもしろく、楽しく読むことができました。

私も経験することが少なくないのですが、ごちゃごちゃとした複雑な案件では、ごちゃごちゃしたものを眺めているだけでは、なかなか着眼点も切り口も見出せません。ここが着眼点ではないか、ここが切り口ではないか、といった妄想力(直感力)を駆使して初めて進むべき方向性が見えてくることもあるように思います。

勉強会の席でも言ったのですが、そういった妄想力(直感力)や、そこからスタートして具体化、具象化していくに当たってのバックグラウンドの厚みというものが必要不可欠であると思います。そして、そういったバックグラウンドを培養するためには、日頃から地道に読書を積み重ね建設的な情報収集を怠らない、不断の努力が欠かせないと感じるものがあります。

単に直感に依存するのではなく、直感を論理へとつなげていける、そういう自分を、日頃の努力により形成しておくことが必要であると、読み終えて強く感じました。